23-23年度研修委員名簿

2024年度活動計画

研修委員会委員用資料

10月19日に京都の同志社大学今出川キャンパスで開催された全国研修会「LGBTQの児童生徒の存在を認識した学校での取り組み」

今回の講師は、宝塚大学看護学部教授の日高庸晴先生です。日高先生は、LGBTQに関する第一人者として知られており、法務省や文部科学省の仕事をはじめ、全国の自治体や学校でLGBTQに関する理解推進・啓発事業に携わっておられる方です。

研修会では、学校現場でのLGBTQ理解について、さまざまな角度から話が展開されました。中でも特に印象に残ったのは、LGBTQ当事者へのいじめ問題とカミングアウトに関する話題でした。紹介された研究によると、ゲイ・バイセクシュアル男性において性的指向を周囲にカミングアウトしている人ほど自殺未遂リスクがあがるそうです。私は、カミングアウトすることで周囲の理解が深まり、当事者の精神的な負担が軽くなると思っていました。しかし、現実はそう単純ではなく、6人以上にカミングアウトしているとリスクは約3倍になるのだそうです。この事実を知り、LGBTQ当事者が直面している現実の厳しさを突きつけられた気がしました。

他にも具体例をたくさん交えて学校におけるLGBTQ問題についてお話をしていただきました。その話を聞きながら特に考えさせられたのは、子どもたちの心情についてでした。「子どもはこの人に言っても大丈夫か常に見ている。」という話が心に響きました。そうした子どもの相談者たりうるためにはどうしたらいいでしょうか。

それはLGBTQの問題を「特殊な例」や「他人事」として捉えるのではなく、自分自身の問題として考えることではないでしょうか。私たちは無意識のうちに、「理解してあげる」という気持ちがあるのかもしれません。しかし、講師の方は「そうではなく、自分が当事者だったらという視点から自分ごととして理解することが大事だ」と強調されていました。この言葉を聞いて、自分の中にある無意識の偏見や思い込みに気づかされ、自分自身の価値観や考え方を見つめ直す必要があると感じました。 小雨の中での研修会でしたが、参加者全員が熱心に耳を傾け、真剣に考える姿が印象的でした。この熱意が、社会全体のLGBTQへの理解と支援につながっていくのだと感じました。

研修委員会スペシャルニーズ部門では、2024年6月30日に國學院大學たまプラーザキャンパスを会場として、ハイブリットで「不登校類型に基づく包括的支援の在り方について」を開催しました。

講師は、北里大学医学部精神科学教室の神谷 俊介先生でした。

当日國學院大学には約20名が集まり、オンラインでは270名を超える参加者がありました。
「不登校」になっている子どもの要因はいろいろあり、その組み合わせによって支援の方策は様々であると言うことを、事例をもとにして詳しくお話しいただきました。
精神医学の立場からのお話は、私たちにも大変参考になるものでした。
(写真については講師の神谷先生、参加者の皆さんの了解をいただいています)