日本臨床発達心理士会全国研修会 公開講座 テーマ別研究会「ふれあいプログラム研究会」主催

「親子ふれあい遊びワークショップ~発達が気になる子と親の支援者が学ぶ遊びの理論と実践~」

日時:2025年8月9日(土)13:30~16:40

参加者:臨床発達心理士正会員 30名 非会員11名 合計41名

【講師】尾崎康子(東京経営短期大学)東都ガーボル(相模女子大学)

藤川志つ子(敬愛短期大学)和田美奈子(認定こども園相模女子大学幼稚部)

昨年の全国大会で開催したワークショップについて、今回は会員以外の発達支援関係者にも広く告知し、ふれあいプログラム研究会主催の全国研修会として実施しました。参加された方の殆どの方が、親子支援の現場に携わっていることもあり、会場となった相模女子大ガーデンホールは、開始直後から外の気温に負けないくらいに先生方の熱気にあふれていました。講座の冒頭で講師から「子どもと遊ぶことが苦手な親がいることを忘れない」「親ができる親子遊び」がキーポイントと伝えられると、深く頷く参加者が多く確認されました。子ども支援を生業とする参加者は忘れてはならない視点の一つと思います。

講座は、本講座の軸となる「親子ふれあい遊び」の基礎理論である発達論的アプローチを学んだ後に、参加者が疑似的な親子になり身近な道具を使って①人とのやりとりを育む親子ふれあい遊び②グループで行う親子遊び③感覚や運動を育てる親子ふれあい遊びを40分間ずつ、しっかり体験するという構成で実施いたしました。親子ふれあい遊びは「人との相互的関わり」「共同注意」「感情と気持ちの共有」を獲得することに適した遊びではありますが、講師から遊びを行う前提として、子どもの身体機能や五感や二覚の発達や個人差を意識することの大切さに話が及ぶと、「あー」と言った気づきの声が会場のあちこちから聞かれました。また、一つに遊びのなかに様々な発達を促すエッセンスが入っていること、遊びを進める上では、少し先の発達を見据えながら関わりをもつことの大切さの再確認できたのではないでしょうか。

テキスト ボックス:  
親子ふれあい遊びの『ふ・れ・あ・い方略』を意識しながら、子どもの発達段階を踏まえ親子の関わりを提案することや、やりとりを楽しみながら遊び充実させるヒントを互いにもらえた時間になったと思います。                               (報告 藤川志つ子)