一般社団法人日本臨床発達心理士会は2025年2月16日に理事会を開催し、以下の方針を決議しました。
これについて、会員の皆様のご協力を訴えるとともに、ご意見を募りたいと思います。
ご意見は3月31日まで募集します。「方針」をお読みになり、何か一言でもコメントをいただければ幸いです。
ご意見は以下のフォームからお願いいたします。
https://forms.gle/rftNCNv63GKJBUEd6


【一般社団法人日本臨床発達心理士会 2025 年度活動方針】

重点課題

 人々の発達支援を担いうる,信頼できる「臨床発達心理士」のイメージを確立し,各会員が職能を十分に発揮できる環境を作る。

 人々に信頼されうる臨床発達心理士会として,質量ともに発展させる。

 会員が相互に交流し高め合える士会をつくる。

数値目標

 以下の課題を達成するために,その基盤として「2030年までに,臨床発達心理士会を7500名の会員,750名のSV会員を擁する会」とする

1.士会組織の確立

会員が士会の主体者であることを明確に示し,会員に周知する。

 会員が士会の活動に多面的に関与できる仕組みを作る。

 会員が自由に意見を交わす場を設定する。(参加自由の「しゃべる会」など)

定款に則った民主的で効率的な運営を行う。

 代議員を通じた各会員の意思が反映された士会運営を行う。

 委員会の効率的・効果的な活動から,適切に理事会,執行部へとつなぐ。

 地域に応じた独自性のある支部の運営と,会員の意思が反映された総会を行う。

 多様で双方向的な内部広報を行い,開かれた士会運営を行う。

会員が自己研鑽を行い,職能を発揮できるようにする。

 領域やキャリアに応じた多彩で実践的な研修会を盛んに行う。

 事例検討会を行い,実践に依拠した知見を交流し合い,相互研鑽を行う。

会員が困ったときの相談体制やスーパーバイズ体制を整える。

発達心理学の成果に基づく実践を行えるように基礎と実践をつなぐ。

2.士会の社会的認知度を高め,社会的貢献を行う。

多様な広報を行い,インターネット,SNS,および紙媒体等を組み合わせる。

・必要に応じて知識や知見を社会に発信する。YouTube等,動画を有効活用する。

・学会・研究団体・出版社等を対象に「賛助会員」を増やし,協力関係を確立する。

・関連団体である JDD ネット,「教育・発達」協議会,スクールカウンセラー推進協議会等と連携した臨床発達的支援の促進・発展に努める。

・厚労省,文科省,子ども家庭庁をはじめ関連する官公庁との関係を作る。

3.臨床発達心理士資格取得希望者の拡大と支援

・各会員が有資格者の増加とその入会を促進する取り組みの一端を担う。

・大学院,大学学部等,また,福祉事業所,行政機関等へのリーフレット・ポスター配布と広報を依頼する。士会の存在を知らせ,資格取得を勧める。

・公認心理師協会,公認心理師の会,心理研修センター,JDD ネット,「教育・発達」協議会,発達心理学会等と連携した研修会を実施して,資格の広報を行う。

・準会員制度の周知と準会員を増やす。

各セクションの活動方針 (太字は特記すべき方針)

【全体の運営】

・定時社員総会 年一回

・臨時社員総会 随時

・理事会 年三回

・執行部会 月一回 各会議には理事ではない委員長や事務局が陪席可能である。

・理事会内委員会 年に1回以上

役員組織委員会:将来を見据えた役員体制の検討

会計委員会:会計に関する方針・執行状況や決算分析,予算編成・会計関係諸規定の検討更新

活動検討委員会:目標をもって会活動の継続的な改善検討し,達成の検証を行う。

・事務局長事務局次長会議 月一回

事務局業務を管轄する。事務局実務は国際文献社委託(一年ごとの契約)

・会員管理の適正な実行

HP・会員管理システムの運用;支部や執行部での有効な運用,

新入会員登録案内と,会の活動に参加してもらうためのフォローアップ

・会員活動のサポート

WEB 会議システムの効果的・適切な運用

「テーマ別研究会」「つながりグループ」の拡大と活動への支援

「つながりグループ」から「テーマ別研究会」へと発展できるようにする。

支部活動の指針を定め,必要な支部にサポートの体制を作る。

・対外的活動

関係諸団体との連携;共催の研修会の開催や情報収集・意見交換

プレスリリース・政策提言等の企画と実行

【全国大会】

全国大会を年次大会として重視し,研修だけではなく会員の交流の場とする。

・第 21 回全国大会(埼玉)の運営

・第 22回全国大会(滋賀・奈良),第23回全国大会(神奈川)の準備

・実践研究発表にポスター発表形式を導入する。今後も新しい試みを行う。

・大会業務実務を,株式会社コームラに委託する(一年ごとの契約)。

【研修会】

支部研修会の充実

支部独自の課題(その地方に特有の課題)や会員が密に連携できる研修を実施する。

「事例検討会」やポイント取得を目指さない実践交流会の取り組みを行う。

2029年までに少なくとも一回,地域貢献・士会の知名度向上のための「公開講座」を実施する。

全国研修会の「企画運営

・研修委員会だけでなく各委員会テーマ別研究会・つながりグルーブ等の主催による全国研修会を実施する。

・全国研修会の特色を明確に出し,会員が参加したくなる内容と広報を行う。

・研修内容を構造化し,会員が自らの力量向上を計画的に実施できる基準を示す。

特定の分野での研鑽を積んだ会員にその分野での専門性が高い会員として何らかの名称を認定する仕組みを検討する。

SV 研修や,SV によるスーパービジョンの実施,および会員がスーパーバイズを受けることを推進する。

・公認心理師関係団体や関連団体と研修連携を行い,会員の研修の機会を広げる。

・公開講座を企画して,臨床発達的知見の啓発を行う。・

プロジェクト課題:現代的問題を取り上げて調査・研究・実践・研修会の実施等を行い,士会として見解をまとめ,意見表明ができるようにする。;問題として,子どもの貧困,自殺,虐待,インクルーシブ教育などがある。会員から意見収集を行う。

【「臨床発達心理実践研究」の充実と発行】

・「臨床発達心理実践研究」第 20 巻の刊行

・第 21 巻の準備

・全国大会での「実践研究発表」を量的・質的に充実させ,「実践研究」投稿につなぐ。そのための広報と支援を行う。

・士会で取り組むプロジェクト研究と特集号を有機的に結び付け,発信力をもつ実践誌とする。

・全国大会における実践研究発表の支援を行う(査読:発表のための助言)。

・論評,調査・研究編と事例研究編とに分けて発行するなど,実践誌をオープンにする方向性を考える。

【広報】

臨床発達心理士会の知名度を高め,臨床発達心理士資格取得者を広げる。

・ホームページの充実・改良して拡充する。会員からの情報提供を増やす。

・メルマガの発行,SNS・ブログの積極的活用,LINE 公式の臨機の発信,会員のLINE公式登録者の増加(原則,会員は全員登録,即時の連絡に使用)

・発達心理学や臨床発達心理学的知見を YouTube でのミニ講座として企画と掲載・配信する。

・士会紹介ミニ動画を配信(委員会や支部の活動紹介)する。当面は,限定配信で会員同士が活動内容を交流しあえるようにする。

・士会紹介のリーフレット・パンフレットの企画・発行し,必要箇所に配布する。

・士会紹介,準会員募集のポスターの企画・発行し,大学や事業所に配布する。

・プレスリリースを臨機に実施する。

・「実践研究」「大会プログラム」等への企業広告を募集する。

【職能・職域拡大】

・職域開拓・求人情報の募集,求人案内の掲載を行い,会員に周知する。

・会員の求人実態等の調査を行い,資格を生かして働ける条件の構築に資する。

・起業している会員を支援し, HP にて紹介する。

・「よろず相談室」の利用を促進する。弁護士,その他専門家と連携する。

・各行政機関等との結びつきを作り,士会の認知度を高めることで,支援要請をしようという機運を作る。そのために,それに応えうるだけの会員の力量向上と量的な拡大を行う。

【災害支援】

・災害が生じたときの会員の振舞い方について事前の学習・啓発をする。

・災害に罹災した会員への支援の仕組みを確立する。

・大規模災害時に本部機能を維持し,士会機能が継続できる仕組みを検討する。

・災害対応マニュアルを整備する。

・災害支援に関する研修会を実施し,各種情報の収集と提供をする。

・支部と連携し,災害時の必要な支援の仕組みをつくる。

特に,大規模災害時に「発達心理学的支援」として本会が有用な団体であると認知され,公的な当該災害支援チームの一角に参加させてもらえるような,社会的認知づくり,支援主体としての力量の向上,量的な充実等を常に意識する。

【危機支援】

・社会的危機の現状把握を行い,会員が支援できる場面を解明・特定する。

・「子の引き渡し強制執行」への立ち会い等の最高裁への協力を行う。

・事件・事故に際して,臨床発達心理学的立場からの情報提供や助言ができるようにする。また,できる存在として認識していただく。

・危機支援に関する研修会を実施する。

【倫理的活動】

・本会倫理綱領の周知し,職能に関わる人権意識・倫理観を高めるために倫理に関する研修会を実施する。

・会員の倫理についての相談をうけつけ,その解決のための活動を行う。

・会員外から会や会員についての倫理的な問題提起を受け付け,その解決のための活動を行う。

【支部活動】

支部の自治を尊重し,その地域での臨床発達心理士の実態や発達心理学的ニーズに基づいた活動を支援する。

・支部総会・支部役員会を開催し,支部会員主体の支部運営を行う。

・支部らしい支部主催研修会を開催する。特に事例検討会や実践交流会を重視する。

・支部会員の交流・相互 SV の推進を行う。

・担当地域での士会と臨床発達心理士の知名度の向上への取り組みを行う。

・担当地域での,公開講座等の社会貢献活動を行う。

・災害支援・危機支援を実施する。

士会執行部は,上記の支部活動の支援を行う。