臨床発達心理士は、特に「人の発達」について寄り添い、支援するという、他の心理資格にない特徴を持っています。
その基盤には「発達心理学」の研究知見があります。
実際に支援するに当たっては、発達心理学の知見に加えて、これまでの実践知の積み重ねと、対象者と取り巻く環境への深い理解、そして、実践する支援者の自己理解が必要ですが、それすらも、「発達心理学」の見地が基盤にあってこそです。
臨床発達心理士の水準を高めていくために、やはり大学や大学院でしっかりと研究や学修を積んだ方を迎えることが重要です。
また、実際に発達心理学の研究を行い、後進を育てておられる方を迎えることも重要です。
そのために、大学教員の皆様には、以下のことをお願いできればと思います。
1.発達心理学にかかわる科目について、機構の「シラバス認定」を得てください。
どのような内容があれば申請できるかは、機構サイトの申請タイプの種類と指定科目基準の下部の「指定科目基準」ご覧ください。
シラバス認定の受け方は、機構サイトの大学院開講科目のシラバス審査をご覧ください。
公認心理師養成が始まって、そちらに忙殺されておられる大学院もあると思いますが、すでに開設している科目でも基準に合えば「シラバス申請」していただければと思います。
そして、「臨床発達心理士資格取得に必要な一部の科目の履修が出来ます」と言うような宣伝をしていただければ有り難く思います。
公認心理師等の養成基準に合わなかったところでも、発達心理学に関わる科目を開講しておられれば、是非、シラバス認定を受けていただければと思います。
以前あった、「個々の科目内容を審査して指定科目履修を認定する」制度はなくなっています。シラバス認定された科目を履修するか機構の「指定科目講習」を受講するかの二択になっています。ですから、多くの発達心理学関連科目開講大学院でシラバス認定を得ていただければ幸いです。
2.発達関連分野で働きたい院生に、公認心理師に加えて臨床発達心理士資格取得を勧めてください。
申請タイプのⅠ・大学院修了タイプは修了後3年までが対象です。
公認心理師は心理に関する広汎な資格と位置づけられています。人の発達に関わる仕事に就かれる方は、やはり、人の発達についてより深い見識を持っていただきたいと思います。
そのためにも、院生の時からそれを意識した研究や学修を重ねていただき、修了後であっても資格に挑戦していただけるよう、アドバイス、指導、応援、していただければ有り難く思います。また、その際のスーパーバイズも、よろしくお願いいたします。
3.学部卒業の学生に、タイプⅡ-2(現職者タイプ)が有ることを知らせ、取得準備をお勧めください。
発達心理学やその隣接諸科学の学部のみを卒業し、発達支援事業所をはじめ発達支援に関する仕事に従事する学生に対し、申請タイプⅡ-2(現職者タイプ)が有ることをお伝えください。これは、大学院か機構が開催する「指定科目講習」を4科目の受講と、4年以上の実務経験が必要ですが、申請時に経験年数が満足しておればよいので、それ以前から計画的に準備を進められることをお知らせいただければ幸いです。士会の準会員になると、基礎的な研修や実務上のアドバイスも受けられる可能性もありますので、さきに準会員になることを勧めていただくことも有効であると思います。
4.研究者の方に資格取得をお勧めください。
臨床発達心理士の水準を高く保つためには、やはり、本会会員の中に「発達研究」に従事したりその学生指導をしておられる方を多く含むことが重要です。「研究と実践を往還する」ことが、優れた実践を担保するだけでなく、優れた研究も生み出します。臨床発達心理士は発達心理学に基づく支援を提供する心理士ではありますが、その実践が研究を進展させるとも言えます。両者が密接に連携出来るためにも、また、広く後進を育てていく上からも、多くの研究者が資格を取り、本会に参加してくださることを心より訴えます。臨床発達心理学に関する研究業績を5件以上お持ちの方に、資格取得をお勧めいただければ幸いです。