一般社団法人日本臨床発達心理士会
理事長 近藤 清美

 2023年6月25日,設立社員総会を開催し,一般社団法人日本臨床発達心理士会は新法人として本格的な活動を開始しました。新法人では,これまでの日本臨床発達心理士会の活動をすべて引き継ぎながら,職能団体として自己研鑽を積み,会員同士の交流を深める活動を行い,社会的貢献や諸団体・機関との連携にも取り組んでいきます。

 日本臨床発達心理士会は,一般社団法人臨床発達心理士認定運営機構が認定した臨床発達心理士有資格者によって2003年に設立され,その後,20余年を発達に関する様々な領域で,地域に根差した活動を行ってきました。組織が大きくなってきたことに伴い,資格認定組織と職能団体が一体となっている不都合を解消するために,日本臨床発達心理士会は2022年11月に独立して一般社団法人として法人登記を行いました。それ以来,資格認定をする一般社団法人臨床発達心理士認定運営機構と,認定された有資格者からなる職能団体である一般社団法人日本臨床発達心理士会は,車の両輪として,科学的理論と研究に基づいた発達支援を提供するために活動を進めています。本会には臨床発達心理士有資格者の大多数に加入していただき,会員は約4000名となりました。

 世界を見ればあちこちで紛争は続いており,地球沸騰時代となり様々な災害が生じています。この中で人々がどのように生き,発達をしていくのか,今こそ問われています。私たちは,受精から死までの生涯発達という広い視野をもって人々の発達を支援するものです。発達は子ども達だけの問題ではありません。子どもに関わる大人たちも発達し,高齢者の発達の問題は高齢社会にある私達には喫緊の課題です。したがって,私達の活動分野は多岐にわたります。保健所,児童相談所,クリニック,子育て支援施設,保健所,幼稚園・保育所,療育施設,小中高校,特別支援学校・学級・教室,教育センター,学童保育,障害者施設・作業所,高齢者施設,生活支援施設,大学や研究所など,様々な場で活躍しています。臨床発達心理士は,対象者の発達特性や育ちの環境をアセスメントし,関連団体・機関と連携しながら,支援計画を立て支援を行ったり,助言をしています。

 本会では臨床発達心理士を含めて発達支援の専門家や一般の人々へ様々な研修の機会や発達支援に役立つ情報を提供しています。また,臨床発達心理士有資格者には職能を高め実践の交流を進めるための全国大会や実践研究誌,メールマガジンなど様々な機会を提供しています。一人で進めていてもできることは限られています。仲間と一緒に学び合い,交流し合うことで力になることもあるでしょう。「日本臨床発達心理士会」の活動に是非とも理解とご協力のほど,よろしくお願いいたします。